「博多豚骨ラーメンズ」木崎ちあき
物語の始まり。根幹。出会い。
博多豚骨ラーメンズ (メディアワークス文庫) [ 木崎ちあき ] 価格:605円 |
”人口の3%が殺し屋といわれる街・博多-----"
1巻目によくあるキャラクターの紹介だけじゃなく、しっかりと殺し屋同士の戦いを読ませてくれる。
物語としてワクワクしておもしろい。
でも、やっぱり林ちゃんの印象が残るな。馬場や皆との出会いがとても残酷だけど、希望を持てる。
一匹狼がみんな孤独じゃないと思う。いつも一人で行動していても、いざというときに助けてくれる人がいるのは、全然違う。
そんな仲間が出来る予兆が林ちゃんにも訪れて嬉しい。
すごい大物感を感じた、悪行三昧の市長のボディガード達との戦いがずっと続くのかと思ったら、あっさりと終ってビックリした。シリーズのラストのボスなのかと初めて見たとき思ってたから…。表と裏みたいな。
彼らが市長に言った「いっそのこと息子さんを殺します?」にすごく共感した。バカ息子過ぎる。ボディガードが呆れるくらいだから、その方が楽だよ。何人に迷惑かけてるの?
最後の林ちゃんの絶体絶命に「殺し屋殺し屋」が現れる。王道の大逆転!カッコいいよカッコいいけど、林ちゃんの気持ちを考えると複雑な感じも…。「敵をだますにはまず味方から」の典型だよね。
こういう裏社会の小説とかのいいところは、現実では絶対に許されない悪の断絶をしてくれるところだと思う。
「必殺仕事人」のようなすっきり感がハマる秘訣なんだろうな。
大好きはお話。スピーディー感も素晴らしい。