本の虫のおうち生活

雑食の読書好きによる感想

「警視庁幽霊係と人形の呪い」天野頌子

警視庁幽霊係と人形の呪い (祥伝社文庫) [ 天野頌子 ]

価格:682円
(2020/7/17 20:31時点)
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警視庁幽霊係シリーズ第五弾!!

あらすじ

火事で亡くなったおばあさんの幽霊が見える!と見知らぬ警官から相談された柏木刑事はこれで自分の代わりに幽霊係になってくれる警官が現れた!と大喜び。彼の自分の後釜に育成すべく、火事を調べ始めたら意外な事実が…!?

 

感想

幽霊が見えるこの後輩警官を幽霊係に育てたら、自分の胃の痛みも治まるのではとハリキル柏木刑事だけど、そううまくはいかない。上司は適性をよく見てるんだな。   呪いの人形に振り回される高島刑事の話も並行している。自分の死んだ妹が持っていた人形が色んな人の恨みつらみを一身に受けて、呪いの人形になっていく過程が少し切ないな…。その人の人生を生きてみなくては分かったようなことは言えないけれど、少しでも前向きに、無理やりにでも明るい気持ちに持っていってたら結果は違ったのかな。でもそれが出来ないんだよね…。

高島先輩の亡くなった恋人との柏木越しの再会が切なかったな。でも、これで前に進めるのかな。嫌でも生きてしまっているからね。

亡くなったおばあさんの「ただ孫と娘と暮らしたかった。寂しかったの」という言葉は何よりも重く悲しい。何とかしたくなる。人生の最後じゃない。それくらい汲んで幸せを感じさせてあげればいいのに…。

何が印象に残ったわけではないけれど、切なさが残るな。生きている人も、死んで思い出を残している人も、みんなが幸せになって欲しいよ。

おまけ短編 「華麗なる一族の事件簿~伊集院家の場合~」

警視庁のリーサルウエポン・伊集院馨の従弟のストーカー被害。          あなたの一家は個性的な人しかいないのか!?個性的な人は個性的とは気付かない典型なのかな。ストーカーのオチもわかっちゃいるけど、面白かった。振り回された柏木刑事の不憫さが一際際立って大好きな話だった。