本の虫のおうち生活

雑食の読書好きによる感想

「博多豚骨ラーメンズ ExtraGames」木崎ちあき

博多豚骨ラーメンズ Extra Games (メディアワークス文庫) [ 木崎 ちあき ]

価格:671円
(2020/7/14 20:26時点)
感想(1件)

博多豚骨ラーメンズ短編集。短編集はキャラの素顔が見れるので好き。

 

1)真冬のダブルスチール

ストーリーの始まり。いつもの仲間たちは感情を分かち合ったりしない。自分の仕事をするだけ。逃げ出すライオン。殺される依頼人。本当のプロローグ林ちゃんの何者にもこびない姿勢が好き。馬場の博多弁にも親近感。

2)助っ人

優しき拷問師・マルティネスの過去。やっぱり一枚上手のエノキダとの初めての対面。拷問されてもエノキダはエノキダ。野球好きな2人の気心の始まり。

3)フィルダース・グッド・チョイス

殺しを依頼された林ちゃん。でも、その相手は身に覚えがなさそう。そんなことに気にも留めない林ちゃんかな~と想像していたので、気にしている彼に心を感じて不思議な親近感。「いい仲間を持ったな」と彼が言うなんて最初からしたら誰が想像しただろう。ラーメンズの野球愛の絆は素晴らしい。

4)フェア・マネー

ミサキとピエロのメケの話。ジローへの誕生日プレゼントを買いたいミサキだが、自分のお金はない。メケの大道芸の手伝いでお小遣いを稼ごうと思うミサキだったが…。 血は繋がっていない親子だが、ジローとミサキはやっぱり親子。生活環境で性格や考え方は変わるなと考えさせられておもしろい。

ジローの今回の名言「楽して稼ぐことを覚えると人間はダメになる

5)アウトローにナックルを

男にだまされて借金を背負い、結婚詐欺を続ける女性の目線。           ラーメンズのメンバーは他のメンバーからこう見えているんだという感覚が新しくて好き。ジローも見た目と口調を変えたとしたら、かなりカッコいいんだろうな。    「待てっち言いよろうが!」北九州弁のノーコン忍者も登場。意外と好きなキャラ(笑)この女の人の、”王子様を待っている”感覚、バカな女だな~と思う中に少しの憧れがあって怖いよ。けど結局は彼女が立ち直るかは自分次第。そうなのだ。

 

短編集でも、上手くリンクして完結して楽しいシリーズ。             ラーメンズのメンバーの仲間意識が段々と近づいていくのが好きだけど、近づきすぎると彼らじゃないよね。でも、あまりにも遠すぎると悲しいし…。          今が調度いいのかな。林ちゃんと馬場の家族の感覚がなくなりませんように…。