「博多豚骨ラーメンズ ExtraGames」木崎ちあき
博多豚骨ラーメンズ Extra Games (メディアワークス文庫) [ 木崎 ちあき ] 価格:671円 |
博多豚骨ラーメンズ短編集。短編集はキャラの素顔が見れるので好き。
1)真冬のダブルスチール
ストーリーの始まり。いつもの仲間たちは感情を分かち合ったりしない。自分の仕事をするだけ。逃げ出すライオン。殺される依頼人。本当のプロローグ林ちゃんの何者にもこびない姿勢が好き。馬場の博多弁にも親近感。
2)助っ人
優しき拷問師・マルティネスの過去。やっぱり一枚上手のエノキダとの初めての対面。拷問されてもエノキダはエノキダ。野球好きな2人の気心の始まり。
3)フィルダース・グッド・チョイス
殺しを依頼された林ちゃん。でも、その相手は身に覚えがなさそう。そんなことに気にも留めない林ちゃんかな~と想像していたので、気にしている彼に心を感じて不思議な親近感。「いい仲間を持ったな」と彼が言うなんて最初からしたら誰が想像しただろう。ラーメンズの野球愛の絆は素晴らしい。
4)フェア・マネー
ミサキとピエロのメケの話。ジローへの誕生日プレゼントを買いたいミサキだが、自分のお金はない。メケの大道芸の手伝いでお小遣いを稼ごうと思うミサキだったが…。 血は繋がっていない親子だが、ジローとミサキはやっぱり親子。生活環境で性格や考え方は変わるなと考えさせられておもしろい。
ジローの今回の名言「楽して稼ぐことを覚えると人間はダメになる」
5)アウトローにナックルを
男にだまされて借金を背負い、結婚詐欺を続ける女性の目線。 ラーメンズのメンバーは他のメンバーからこう見えているんだという感覚が新しくて好き。ジローも見た目と口調を変えたとしたら、かなりカッコいいんだろうな。 「待てっち言いよろうが!」北九州弁のノーコン忍者も登場。意外と好きなキャラ(笑)この女の人の、”王子様を待っている”感覚、バカな女だな~と思う中に少しの憧れがあって怖いよ。けど結局は彼女が立ち直るかは自分次第。そうなのだ。
短編集でも、上手くリンクして完結して楽しいシリーズ。 ラーメンズのメンバーの仲間意識が段々と近づいていくのが好きだけど、近づきすぎると彼らじゃないよね。でも、あまりにも遠すぎると悲しいし…。 今が調度いいのかな。林ちゃんと馬場の家族の感覚がなくなりませんように…。