本の虫のおうち生活

雑食の読書好きによる感想

「マンガと音楽の甘い関係」高野麻衣

マンガと音楽の甘い関係 [ 高野麻衣 ]

価格:1,408円
(2020/8/24 17:33時点)
感想(0件)

ガラスの仮面」や「スラムダンク」など不朽の名作から、現在の人気作まで、

どうしてあのキャラはあの曲が好きなのか、あのキャラが聴いている曲は何なのか。

どうして、音楽が加わると漫画は輝くのか…を紹介している本。

私の大好きな妄想が、文章になって夢を見られる。

マンガ好きなら一度は考えたことがあるんじゃないかな?

そんな読者の頭の中の妄想をしっかりとした文にしてくれた本だった。

それに加え、漫画家さんのインタビューもたっぷりで、楽しめる。

 

このメロディーは、このキャラクターに似合うとか。

この歌詞は、このキャラクターの苦しみを想像するとか。

この曲を聴いたら、この漫画の世界観をどうしても思い出すとか。

誰でも一度は考えたことがあるものを、本にしてくれたなぁと思う。

夢の世界を、少しの現実に感じさせてくれる…。

現実に疲れたときに読み返したい大好きな本だった。

 

妄想って、最高の幸せだ。

 

 

 

 

 

生き方を学ぶ「アラブからこんにちは」     ハムダなおこ

アラブからこんにちは 灼熱、イスラーム、魔人、子育てー未知なるアラブの生 [ ナオコ・ハムダ ]

価格:1,760円
(2020/8/23 19:11時点)
感想(2件)

アラブ、中東のイメージががらりと変わった本だった…。
私の勝手なイメージで中東、アラブは遠い世界のように感じていた。相いれない部分があるのかな?って。
姿や宗教、全てが私にとって近い感覚ではなくて、触れなければ、理解できない感覚に触れうることが出来て、読書は素敵だなと思った。
この本を読んで、日本人の著者の身近な日本的な感覚でのアラブ世界の紹介を読んで、素敵な考え方が広まっている世界なんだなと感じた。

「何であなたのために私がしなくちゃならないの!?」ではなく、「私がしたくてあなたのためにしているんだ」…と思う方が、幸せだ。
そんな考え方が出来たら、人生が輝くと思えた。結局は自分が主役。優しいことをして、相手からアクションが無かったからって、それで相手を責めるのはおかしい。自分が相手のために何かをできたのが幸せだなぁと思うのが幸せ…。

灼熱、イスラーム、魔人、子育て…日本と全く違う世界。
そんな環境で、アラブ人の夫と結婚した日本人妻が戸惑いながら、日本人に向けて発信していく姿がいいな~と思う。

悪意というものはどこにでもある。いちいち人の意見に耳を傾けていては、すぐに人生は終わってしまう。
こんなことはへっちゃらだ」相手はただ自分を理解していないだけだ、そう思えばいい。
貴方がいなくたって生きていける----。私の人生、貴方には関係がない。

優しさが溢れたアラブの世界に触れられる本。
そんな世界に触れられても、私の人生は私のもの、という強さも感じられる。
穏やかに相手を受け入れられる人は一番強い人だなと思う。
その瞬間に強がって、どんなにとがっている人だって、優しくされたことを忘れることはないと思うんだな。

理想って誰にでもある。こんな風に生きたいな…。人にやさしく生きたいな…。誰も傷つけずに生きたいな…。ありえないことは分かっているのに、そんな理想を真面目に真剣に語り合えるのは、幸せじゃないかな?
「バカじゃないの?」と人から思われることを、心から信じられる人は最高だなと思った。
人生に迷った時に、指針として開きたくなる。
何度読んでも、励ましてくれる大好きな一冊…です。

大好き!「魔法使いと最後の事件」東川篤哉

奥さまは魔女」が誕生!?

魔法使いと最後の事件 [ 東川 篤哉 ]

価格:1,540円
(2020/8/3 19:54時点)
感想(0件)


大好きなシリーズ!!完結なのかな?幸せな2人に私は満足。それが全て…。
1)魔法使いと幻の最終回
パッとしない甥っ子が、パッとするおじさんを殺す話
血のつながりってそこまで強いのかな!?怒鳴り声を奥さんが効き間違えるなんて…。
マリィが家出(?)から帰ってくる。それは嬉しいよね。
2)魔法使いと隠れたメッセージ
大学教授でTVにも出て大人気の女性を、旦那が些細な口論から殺す話…。
小山田刑事は、自分では分かってないけれど鋭い着眼点を持っている…。そのドMとのギャップが魅力なんだよね。
3)魔法使いと五本の傘
自分の好きな彼女と結婚するいけ好かない先輩を思いがけず殺してしまうお話…。
そりゃ、腹立つわ!!と思わせられる先輩だけれど、殺してしまったらあなたの負けです…。
自分が思いがけず提出してしまった婚姻届によって、20万円のウェディングドレスにサインさせられる小山田刑事。
いやいや、それだけなら安いでしょ!!と思ってしまうけれど、何となく結婚してしまった彼からしたら、大変なこと。
4)魔法使いと雷の奇跡
土地が欲しいゆえに、自分の叔父を計画的に、だけど偶然を装って殺そうというお話。
椿刑事は、見た目がいいのは分かった…。他にどこがいいのだろう…。
この事件でわかったのは、自然に成長する木を殺しに使うのはやめた方がいい…。キノコが生えるぞ!!!!ということ。
マリィと小山田刑事の結婚式も何となく感無量感を感じてしまう…。

大好きなシリーズ。色んな文句を言ったり、イライラを感じたとしても、どのキャラも人間っぽくて魅力を感じてしまう。
不思議な魅力なんだよな。この作者さんの本にははずれが無いのは、そういうところがあるのかな。
イライラするのに嫌いになれないキャラクター。
最後まで読んでしまう文章力。漫画やアニメが好きな人にも、違和感なく受け入れられると思う。
一度読んでみて!!

「少女漫画家が猫を飼う理由」天野頌子

死体だって、普通に生きた愛された人間。

少女漫画家が猫を飼う理由 警視庁幽霊係 (祥伝社文庫) [ 天野頌子 ]

価格:680円
(2020/8/1 20:32時点)
感想(0件)


大好き「幽霊係」シリーズ第3弾。今回は短編集。
1)ハートの指輪に呪いをこめて
何重にも人の恨みが込められた呪いの指輪をめぐるお話。
人は、いろんな面があると思う。この人は今、とても疲れていて、イライラしていて私に当たっているのかも。
今この人は私にやさしいけれど、辛い瞬間に私はその人と一緒にいられるだろうか…。
人生を連れ添った老夫婦に尊さを覚えるのは、そのためかもしれない。どんな瞬間も一緒に生きてきた。その絆には誰も勝てない。
2)お盆注意報
大好き。不謹慎だけど、すごく笑ってしまった!
幽霊係・柏木警部補のお盆帰省のお話。幽霊のおじいちゃんが柏木君全く違う豪快で、とにかく争いが好きな人。魅力的だな。
毎日泣いていてうるさいから除霊してくれとおじいちゃんに頼まれて、同僚による殺人事件にかかわる柏木君。
実家は広島県の中の田舎。
未だ若くして亡くなった幽霊の彼は、自分が自殺で死んだために妻が悲しんでいるのに耐えられないと訴える…。
まぁ、可愛そうだよ。可愛そうなんだけど、亡くなった彼の自分中心の天真爛漫の様子に、少しため息。
犯人の同僚をかばう訳じゃないけど、犯人の気持ちが分からなくもない。自分が表せない感情をまっすぐに顔に出せる人に嫉妬はしてしまうかな。
なんにせよ、被害者の昔やんちゃだった奥さんの、あっぱれな性格が良い!!こんな女性になりたい!!
3)少女漫画家が猫を飼う理由
売れっ子漫画家が、4か所も刺されて路上で殺された。被害者に話を聴くと「私を恨んでた人は多いと思います」と言われ…。
漫画家は、浮世離れしているのかな?犯人は、すぐにわかったけれど、犯人の気持ちも分かり、複雑はお話。
家族同士の確執は一番解決が難しいと思う。家族は大切にしなくてはいけないし、そうすることが当たり前だし、それを求められるし…。
漫画家などのマネージャーが家族が多いらしいけれど、それは大丈夫なんだろうか…。難しくないかな。
血の濃さは、それによって絆が強い訳ではない気もしたりして…。

どのお話も軽く読めるのに、考えさせられて、笑えるのに少し悲しくて、素敵なお話でした…。

警視庁幽霊係「恋する死体」天野頌子

警視庁幽霊係第2弾!死体だって、元は普通に生きていた人間なんだから恋だってするだろ!?

恋する死体 警視庁幽霊係 (祥伝社文庫) [ 天野頌子 ]

価格:680円
(2020/7/29 19:54時点)
感想(0件)


あらすじ
 元刑事の探偵・新堂が急死した。心不全による病死だと思われたが、不審な点が多く見つかる。
刑事時代の後輩・清水に頼まれた幽霊係・柏木は調査に乗り出すが、そこには臓器売買の可能性があり…。

感想
 探偵・新堂武彦がかっこいい!!バカみたいだけど、それが一番残った。もちろん、自分が追っかけていた事件が気になってはいるだろうけど、刑事時代の上司の奥さんを心から愛して、彼女が幸せでいるのか気になって成仏できない彼が、素敵だ。
こんな風に心の底から愛される彼女も幸せだけれど、でも本当は柏木が最後に言った通り「こんなに人を好きになれる人を見つけた彼が幸せ」なのかもしれない。死んでも尚、相手が幸せであるのかを心配する恋は中々ないと思うから…。良いよねぇ。

 事件としては、臓器を勝手に移植されたり、自分の好きな人の出世に邪魔だからと殺されたり、血なまぐさい展開。恋に狂っている人は、他の人の価値観では測れない。だって、彼・彼女はそれで幸せなんだから…。どれだけ周りが”かわいそうな人だ”と見たとしても、本人が幸せなのだとしたら、他人の意見は彼らには届かない。人道的にどれだけおかしくても、それで彼らが幸せなら、それが正解なんだ。

 その犯人に勝手に愛されていた相手・榊原”ドクターカイボウスキー”にとってもそう。彼は、変死体を解剖するのが何よりの楽しみ。どれだけ他人に愛されようが、非難されようが、自分の幸せにはなんの関係もない。良いな。そんな風に生きてみたい。大好きなキャラクター。そのまま、彼のまま死ぬまで生きていってほしい。

 結局、幽霊・新堂は愛した彼女を見守り続けることを選んだ。それも正解。”成仏した方が幸せだ、とか、彼女もそんなこと望んでない”とか、他人の言うことなんて本人には関係ないんだよ。自分が幸せだと思う選択をした方が正解なんだ…。

 一番の救いは、清水刑事の中のいいご家族。娘さんは無邪気で可愛いし、奥さんは、旦那さんを理解して、何故か、柏木を健康体にする食事を作ることを心掛けている素敵すぎる家族。真っ当な人々を見るとやはり心が安らぐな…。
 
 最後に柏木君、確かに少しうるさかったかもしれない、イライラしていたのかもしれない、でも嫉妬している彼女に「お前、小姑みたいだな」は絶対にダメ!!ありえないよ。ディズニーランドに連れて行って。例え、周りからは30過ぎた男が一人で来ていると思われてもね…。

かわいいぬいぐるみに癒される!「ぶたぶたラジオ」  矢崎存美

可愛いブタのぬいぐるみが生きている!?しかも中身は中年男性!?

ぶたぶたラジオ [ 矢崎存美 ]

価格:528円
(2020/7/26 15:18時点)
感想(2件)


ただただ癒される最後にはほっこりとした幸せな気持ちになれるお話。
見た目は小さなブタのぬいぐるみが動いて喋って生きている。
なんのこっちゃと最初思ったけれど、
この”ぶたぶたさん”がとにかく魅力的。
可愛らしい見た目で中身は紳士的なおじさん。
低く素敵な声で、諭されれば気持ちが落ち着くんだろうな…。

長い間愛されているシリーズの中で、今回はぶたぶたさんが”ラジオパーソナリティー”となって人々の悩みを解決するお話。
ラジオコーナー「ぶたぶたさんにきいてみよう
こんな風に親身に適切に答えてくれるなら、勇気を出して相談してみたいなぁ。
もちろん声だけなのでリスナーは優しい中年男性が人生相談に乗っているもんだと思っている。
実際にぶたぶたさんに会ったときの人々の反応がおもしろい。
現実逃避をする人、自分の頭がおかしくなったと思う人、周りが変だと思う人。
いろいろあるけど、最後には納得してぶたぶたさんの魅力にはまってしまうのが良い。
この小説の初めてぶたぶたさんに会う人は、人生に悩んでいてすさんでいる人が多い。
けれど珍しすぎる存在の前では、自分の悩みも話しやすいのか、心を開くのが速い。
その上、ぶたぶたさんは器の大きい人生(?)経験が多い中年男性で、ゆっくり話を聴いて焦らすこともなく、人の気持ちを落ち着かせる天才。
存在にびっくりで動揺しているから、深く考えないのかな?皆が心を開いていく。

小さなブタのぬいぐるみが動いてしゃべるなんてそれだけでも夢の世界のワクワク感なのに、人生相談にも乗ってくれるなんて…。
でも、それ以上にとにかくぶたぶたさんが可愛い!!小さな点の黒い目で、しょんぼりしたり、嬉しそうな顔をしたり。
小さな体で食べて飲んで、最高の空間だな。
しかも彼には妻と、可愛い娘たちがいる!!
このシリーズのどのお話を読んでも、癒されること間違いなし。
この世界観に一度触れると、また触れたくなる優しいシリーズ。

「博多豚骨ラーメンズ」木崎ちあき

物語の始まり。根幹。出会い。

博多豚骨ラーメンズ (メディアワークス文庫) [ 木崎ちあき ]

価格:605円
(2020/7/25 14:25時点)
感想(3件)

”人口の3%が殺し屋といわれる街・博多-----"
1巻目によくあるキャラクターの紹介だけじゃなく、しっかりと殺し屋同士の戦いを読ませてくれる。
物語としてワクワクしておもしろい。
でも、やっぱり林ちゃんの印象が残るな。馬場や皆との出会いがとても残酷だけど、希望を持てる。

一匹狼がみんな孤独じゃないと思う。いつも一人で行動していても、いざというときに助けてくれる人がいるのは、全然違う。
そんな仲間が出来る予兆が林ちゃんにも訪れて嬉しい。

すごい大物感を感じた、悪行三昧の市長のボディガード達との戦いがずっと続くのかと思ったら、あっさりと終ってビックリした。シリーズのラストのボスなのかと初めて見たとき思ってたから…。表と裏みたいな。
彼らが市長に言った「いっそのこと息子さんを殺します?」にすごく共感した。バカ息子過ぎる。ボディガードが呆れるくらいだから、その方が楽だよ。何人に迷惑かけてるの?

最後の林ちゃんの絶体絶命に「殺し屋殺し屋」が現れる。王道の大逆転!カッコいいよカッコいいけど、林ちゃんの気持ちを考えると複雑な感じも…。「敵をだますにはまず味方から」の典型だよね。
こういう裏社会の小説とかのいいところは、現実では絶対に許されない悪の断絶をしてくれるところだと思う。
「必殺仕事人」のようなすっきり感がハマる秘訣なんだろうな。
大好きはお話。スピーディー感も素晴らしい。