本の虫のおうち生活

雑食の読書好きによる感想

「ドナルド・キーン自伝」

東日本大震災後に、日本に移住するということで話題になった著者の自伝。

三島由紀夫谷崎潤一郎、文豪が生で感じられた時代の話だ。

敵国の言葉を学ぶ精神、自分の好きなことを突き詰めたら得られるものが大きいと感じさせる。著者自身は、アメリカ人のイメージに合って、好き嫌いをハッキリと言う人だ。それを超えて、異国で日本文学の研究に勤しむ人生。どんな感じだろう?

 

ドナルド・キーン自伝-増補新版 (中公文庫)
 

 衝撃だった三島由紀夫の自害。

昔の文豪たちが身近な人間に感じられる、同じ時代とともに生きた人の話。

一番記憶に残ったのは、「川端が言った、もし自分が文学史に名が残るとしたら、それは三島由紀夫を発見した人物としてだろう…」

著者に興味がある人も、文豪に興味がある人も、必読の本だと思う。

素敵に思う本でした。